Signé HCB
「出会いと別れの季節」というのは、国とその文化によっても変わります。
なんとなく、まだla rentréeというのは9月なような気がして、今の季節をあいまいな感じで過ごしてしまっていたのですが、ぼんやりしていたら勝手に離別されたりも、しちゃうんですね・・・
ecorフランス語コミュニケーション教室の、NHK文化センター(新潟教室)での授業は全て終了となったようです。登録更新を考えていた方には申し訳ありません。「パッション!フランス」は、また別な枠を探してみたいなぁと思っています。
一方、出会いのほうはというと、On y va ? 効果で「楽しく学ぶフランス語」講座は3名⇒16名になりました。Incroyable...!
アトリエと比べるとかなり多いので、ひとりひとりとどんな風に関わっていけるか、楽しみにしております。
普段ひとりでアトリエを切り盛りしていると、痛切にありがたみを感じるのが、この講座の頼もしいサポーターの方々。本当に心強いです。
ecorの授業構成をしていく時に大切にしていることのひとつに「スパイラル」があります。一定の期間で、習ったことを思い出し、それを応用できるようにしているのですが、全く同じことをするのではなく、微妙に高度になって行くようにしています。現在、その効果に、教えている本人がびっくり。今やっているアンリ・カルティエ=ブレッソンの写真についての授業では、「C'est」を使った表現をたくさん学びましたが、総集編として、彼の写真集から好きな絵を一枚選んで、好きなように感じたことを述べて貰っています。
約1年前、形容詞を初めて習う時に同じようなことをやって貰っているのですが、皆さんそれぞれ、その時に比べて格段に「見る」「適当な表現を探す」「感じたことを言葉にする」という作業がスムーズに、豊かに出来るようになっているのです!最初は、一枚の写真を見ても2つか3つしか感想を述べることが出来なかったのが、「こういう風にも見える」「あんな感じかもしれない」「どうしてこう見えるかというと・・・」と、どんどん広がりを見せています。すごい、フランス語って(笑)。
そして、もうひとつ、前から感じていたことで確信できたことがあります、当たり前かもしれないんだけれど・・・
理解は「伝染」するんです。
例えば、一年先に始めた人達(A)と、最近始めた人(B)が一緒の授業で。Aの人達はすでに同じ授業を1回やっているのですが、この人達が一年前に初めてやった時と比べてみると、同じ一回目なのにBの人の方がレベルが高い表現や視点を理解して表現できることが多いのです。これは、Aの人達の学習した分析力や表現力が「伝染」しているんじゃないかなーと思うわけです。科学者ではないですから、その辺の根拠はなにもないですし、個人差もあるから一概には言い切れないのですが、それぞれのアトリエを見ていると、勉強仲間って本当に大切だなぁと感じます。見えないところで恩恵があるわけですから。自分が学生だった時にこれに気づいていたら、もっともっとクラスメイトを大事にできたのにな。
最初にアトリエに見学に来られる方が心配するのが、「全く初めてなのに他の人についていけるの?」ということなのですが、これが全く無意味な心配だと、今では確信を持って言えます。早く上達するには出来るだけ高いレベルのところに食い込んで行った方がいいのは、こういう魔法があるからなのでしょう。(ただし、無理をするのだから、ストレスや自己嫌悪などというものにも一層気をつけなければなりません。)
「当たり前」にならないとその言葉や表現を使うことは出来ないんですよね。
その昔、Au fur et à mesure (必要に応じて)という表現を「こんなもの、とても会話中でとっさに使えない」と思ったことがありましたっけね。そういうへっぴり腰の状態では、やっぱり使えませんでした。だから、新しい表現や単語に出会ったら、「使ってやる!」と猛烈にアグレッシブになるんです。