bon retour !
更新がなかなかできず、わざわざお越しいただいている方はごめんなさい。
少しだけ心身に余裕が出てきましたので、久しぶりに書きます。
5月に来たロワール管弦楽団と共演されたヴァイオリニストの戸田弥生さん。
この方の2006年のアルバム「Rêve d'enfant」を運転中に聴くことが多くなった。
音の好みとして、ヴァイオリンよりもチェロのほうが好きだったのだけれど、この人の奏でるヴァイオリンは本当に素晴らしい。
「音」と呼ぶよりは、なにかほかのもっと違う呼び方が似合うような、まろやかで、ちょっと哀愁が漂っていて、ユーモアと母性がまざったものー
それが、1740年製ピエトロ・ガルネリから生まれるから、というだけでは決してないと感じる。
打ち上げの時ONPLのデカいフランス人達から離れて、まるでそこにいるのが申し訳ないような、もてあましているような感じでいた戸田さんとちょっとだけ話した時のことが印象に残っている。
現在は地方に住んでいて東京まで通っていること、二児の母で、子育てと音楽の両立は大変だけれど、子供がいるからこそ音楽を続ける力になっていることを話をそっとしてくれた。
その話を聞いていたから、この「子供の夢」というタイトルのアルバムは、感覚的にとても「理解」できる。
タイトルになっているウジェーヌ・イザイのこの作品は、ヴァイオリンとピアノのアンサンブルがとても美しい。
チャップリンの「独裁者」は何度見ても飽きない大好きな作品で、たぶん日本で・フランスであわせて10回は見ていると思う。
中でも、ユダヤ人で記憶をなくした床屋のチャーリーが、ブラームスの「ハンガリー舞曲 No.5」にあわせてお客さんのひげをそるシーンが大好き。
戸田さんのアルバムの中には「ハンガリー舞曲」と共に、「モダン・タイムス」のラストで流れる「Smile」という曲が入っている。
この選曲だけでも、もうこのアーティストを好きになってしまう。単純と言われてもいい。
色々書くことが溜まっているのですが、とりあえず、ま、落ち着けよ、と手を伸ばすこのCDのお話をリハビリ代わりに。
調子を取り戻すまで、しばしお待ちあれ。