セゴ vs サーコ、on a donc élu SARKO(みんなはサーコを選んだわけだ)。
なーんか、machoな国になりそだな・・・フランス。 JOUP(J'ouvre une parenthèse:毎度おなじみ、「余談になりますが・・・」) フランス人は、荷馬車騎士のDNAを受け継ぐジェントルメン(自称)をよしとする国民です。「Macho」という言葉は日本で言う「ムキムキ」でアブラギッシュなイメージとは違い、「男にそんなことができるか」とか、「あいつは女だから」とか、「お前もっと女らしくしろ」などという発言に対する反感を表現する非常にペジョラティフ(卑下)な表現なのです。 思いっきり性別をにおわせる発言をする人(主に男性の発言)に、フランス人は心もち顎を上げ、鼻でフンと笑い「マッチョ」と言います。意味はほぼ「野蛮人」とか「インテリジェンスのかけらもない低レベルな人間」に近いものがあります。肉体より、モラルに関する概念なのです。 (ちなみに、フランスに男女差別がないということではありません。隠れマッチョはたくさんいて、雇用問題にもよくなっていますがそれを公に話題にしないのは、やっぱり国や経済を動かしている人に隠れマッチョが多いんでしょう) 男性の皆さん、脳みそ「マッチョ」になっていませんでしょうか? 女性の皆さん、「あなたって筋肉あって意外にマッチョよねー」などと、フランス男には間違っても言ってはいかんです。 まりさん、だからといって女らしさの欠ける言動を注意されて「その発言、さてはマッチョだな、キサマ!!」などとチョップをおみまいしてはいけません。責任転嫁。 JFLP (Je ferme la parenthèse「余談コーナー閉めます」) 今、テレビからサーコの勝利の演説が聞こえてきますが、思わず飲んでいたかりん酒お湯割り(←風邪気味でのど痛いのです・・・)をぶはぅっと吐く発言がありました。 J'apprécie Ségolène Royal, parce que, j'aime tous les concitoyens... (わたしはセゴレヌ・ロワイヤルを評価する、なぜなら、わたしはすべての国民を愛するからなのだ・・・) フランス男のくっさい発言には完全に免疫ができていたと思っていましたが、久しぶりにむ、む、虫唾が・・・ こういうことって日本の首相にはぜったいありえないよなーあ。 そして、持ち上げているようでいてその実「セゴ、あんたはもうただの『国民』!オレ様がトップ!やーい」というeuphémique(婉曲表現)、しかもそんなこと(セゴを評価する云々)微塵も思っていないのがバレバレのサーコくん。 確かにセゴはいまいちパンチが足りない、フランス女性にしては珍しくきっつい感じが薄くて(MAM(Michèle Alliot-Marieミッシェル・アリオ・マリー、現防衛庁長官。フランスっちゅう国は女の人が強いんです)とかマリー・ルペンなんかに比べたら)、けんかしたらすぐ負けそうだし、政策もなんだか曖昧。 それに比べれば、サーコは前々からあれこれと(ネーミングやら政策の内容如何にかかわらず)自分をアピールしてきたし、外国にもマメに顔を売ってきたから、「枠」がそれなりに見えてはいる。五里霧中よりは、どっち向いているかわからない矢印でも矢印がたっていたほうが安心できるってことなのかな。 ナントはもともと左の県だから一回目の投票からセゴ派だったけれど、わたしの周りの若い人たちの話を聞いているとかるーいノリで「セゴ」と言っている子が結構いるような気がした。逆に、テレビから流れてくる青い風船を持って「ニコラ!ウェー!」と叫んでいる(心なしか若い男性が多いような・・・)あんちゃんたちを見ていると、ますますマッチョなフランスが目の前に見えるような気がしてくる。 フランソワ・フィヨンの発言、へぇと思ったのは、「フランスは前回の大統領選挙(5代目大統領選挙)から常に『contre(~に反対する)を表明するために』投票してきたけれど、今回はやっと真の『Oui』のための投票だった」 というもの。たしかに、前回はル・ペンに「反対」、ヨーロッパ憲法にも「反対」。更には今の内閣にたいしても「反対」。今回はだから疑いようのない「勝利」_?イマイチすっきりしない。ニコラに投票した人たちは、いったいどんなヴィジョンを持っているんだろう。 フランス、今後どっちへ行くのかなー? どちらにせよ、シラクと違って日本にそんなに因縁もなさそうだし、今後日本との関係ってますます薄くなりそうな予感。 更に、移民の問題とか、外国人はどんどん住みにくくなるような気がします。 ※そのあとニコラはTF1のスタジオでも「respect」だの「courtois」だのと、Kaamelotteがアンチテーゼで使いそうなボキャブラリーで勝利を語っておりました。明日は絶対ギニョールニュース(Les guignols de l'info)見よう。