同時進行していた18世紀の文学のエクスポゼが木曜日に迫っているので、そちらにすっかりつかまってご無沙汰をしておりました。
何しろ題材が「Théâtre de la Foire」というレアなもので、参考文献もほとんどないものについて何をどうやっていいやら。 何とか形がついたので、息つく暇もなく、エクスポゼと同じ日に(Pas de pot...)あるGrammaire & Stylistiqueの試験の準備。
うそをつけ!と言われそうですが・・・ 私は文法の勉強が好きです。
「好きになった」 と言った方がいいかな。 フランスに来るまで文法の勉強というものをまともにやってこなかった私は、「日本人にあるまじき*」「Anormal」などと方々でさんざん言われ続けた、自他共に認める文法嫌いでした。 (日本人フラ語学習者はグローバルなréputationとして、文法の成績がいいとされています。)
フランスの大学(Licence)の場合、3年間文法と言語学の授業は必須でカリキュラムに組み込まれているので避けて通れない文法・・・ 確かに複雑だし、一つのカテゴリーに収まりきらず、曖昧模糊としたものを整理して覚えるのはめまいがしますが、文法は読書には欠かせないありがたーいoutilなのです。
普段、私たちが文章を読む時、目は一語一語を追いかけながら、同時に先を予測するという作業を脳がしています。フラ語のレベルが上がれば上がるほど、予測がし易くなるので読むスピードも上がります。
最近見た「アメリ」から例をとってみると、ママがちびアメリに勉強を教えているシーンで、
Les poules couvent souvent au couvent. (めんどりは、よく修道院で卵を抱いています。)
同じ「couvent」でも、ルージュの方は動詞couverの3人称複数。緑は男性名詞単数形の「修道院」「寄宿舎」という意味の単語です。
もし、couverもcouventも知らなくても、文法を知っていれば、ある程度の予測をつけることができます。例えば、-entという語尾は、Ilsとセットでよく見かける動詞の語尾・・・とか、「au」って言うのは「a+le」だと知っていれば、その後ろに来るのはたいてい名詞・・・とか。
私たち日本人がフラ語を読む時は、ストレスとの戦いです。 まず、目がアルファベットの羅列を拒否するのを必死で押さえつけなくちゃだめだし。 (これ、アルファベット圏の人々にとっては想像ができないことです。)
バルザックを読むときなんて、目玉が大暴れで拒否して大変でした。 いままで、いい加減に理解していたフラ語が、文法を理解したお陰ですっきり収まるところに収まった!といった感覚になって、頭がクリアーになる感じがするのが文法学習の楽しみ。
わからない、という時は「なぜそうなるのかな」と考えてみるのもいいのかもしれません。 ひとつかふたつ、正しい例を知っておけば、あとはそれを応用すればいいだけなのですから、辞書で例文を分析してみるのもお勧めです。 ところで、今日の勉強で知ったのは、「un」って代名詞でもありえる・・・ってこと。 冠詞や数形容詞としか考えていなかった。。。 文法に強くはないのですが、密かな好意を抱きつつ(笑)の、片思いな毎日なのです。