なんだか、ら致監禁事件まで起こったじゃないですか、CPE(Contrat première embauche)反対のデモに便乗して。
ル・マンで元教師で失業中の男が高校生20人ぐらい人質に立てこもったらしい。けが人なしでついさっき(20時前)解決。うーん。。。
いつもはネットルモンドで済ませてたところですが、久しぶりにリベ紙を買ってしまいました。
ソルボンヌじゃブロック派VS勉強遅れてイライラ派がもめてるし、ポワティエは一足早く昨日すでに生徒たちが投票して大学を完全封鎖する決定。 地元の癖にナントの動きがイマイチわからない。というか、始まりもレンヌに刺激されて、って感触が強い(どのデモもだいたいそうだ)。
Nantes ma villeサイトを見る限りじゃ、今日新たに法学部でもブロキュスを決めたらしいから、少なくとも火曜日までは長引きそうな・・・。 しかし、街を歩くと、どうも不穏な空気、というかみんながイガイガしているのがわかる。まるでパリのメトロに乗っているときみたいに、無意識にかばんをギュッと自分に引き寄せてトラムに乗っている自分に気が付いた。 なんか、やだな。 こんなごわごわした時にパリ。 ていうか、みんな落語でも見てちょっと肝っ玉を落っ着けてくれよ、と言いたい。
さて、歌丸落語の夕べの前にどこに行くかといえば、決まっています。 パリに行ったら、パブロさんの所に行かないと気がすまない私。 一体何度マレのサレ館に行ったか、もう覚えていない。 ちょうどドラ・マールをフィーチャー中なので、「泣く女」をたくさん見てこよう。 「ピカソの女」たちの中では、ドラ・マールがモデルの絵で好きなものはあまりない。ただ、彼女は一度もピカソの前で泣いたりわめいたりしたことはなかったのに、ピカソは彼女の中に、今にも二つに千切れそうな切迫した何かを見出していた、というのが面白い。
私がドキュメンタリーの類の映画で一番すきなのが「Le mystère Picasso(ミステリアス・ピカソ)」。
これは、何度見てもゾクゾクする。 特殊なキャンパスを使って、ピカソの筆がそのまま画面に現れる。丁度、透明なパネルにピカソが描くのを反対側から眺めている感じ。 ピカソは下書きから描いて描いて描いて、魚が花になって人の顔になって最後は悪魔みたいなのになってその横で踊っているへんな人間がいる、 とかいうものや、
これが一体何になるのさ????というものが、えー?!というものに変化していく様子がたまらなくすごい。すご楽しい。
一番すごいのは、黒一色で一本の線から始まったものが、どんどん複雑に組み合っていくもの。最後にはDNAとか染色体とか、そういったもののような、それでいて、馬の頭が残っていてトロイの木馬みたいだったり、宇宙みたいなものに見えたり、あたまがぐるぐるしそうなものが出来上がる。 それが、映像編集で、出来上がったものを逆回しして最後にもとの一本の黒い線だけが残る。
ピカソは、たぶん、宇宙の仕組みを知っていたんじゃないかと思う。 ピカソだけじゃなくて、天才たちは多分みんなわかっちゃったんじゃないのかな、という気がする。モーツァルトを聞いていても、やっぱりこの人は何かやばいことを知っていたに違いないという気がする。
小さいときに、母につれられてデパートの催し物開場でやっていたピカソ展に行った。小さいスケッチばかりだったんだけど、ものすごい強烈で見ていて疲れて気分が悪くなってしまった。 今思えば、あれはミノタウロスのシリーズで、そうとう激しいやつだったんだと思う。小さい子がいきなりあれをみたら具合を悪くしてもおかしくない。
今、ピカソ美術館に行ってしまうのは、むしろそういうやばいエネルギーが不足しているとき。そして、建物自体がとても気持ちいい造りになっているから、ほーっと和んでしまえる。 今、たくさんたくさんのエネルギーが必要な時だ。 パブロさまの強力なやつを一発拝んでこよう。