紋切り型 中陰変り抱き茗荷。
比叡山延暦寺に祀られている摩陀羅神は、釈迦のひとことで悟りを開き、その墓にはミョウガが生えたといいます。この故事から茗荷は悟りのシンボルとなりました。
~紋切り型 解説より
「神仏の加護がある」という意味の「冥加がいい」という言葉にも通じるので縁起がいいそうです。
こちらのミョウガさんが、現在我が家の玄関で「コノモンドコロガメニハイラヌカ!!」とカブいています。
悟りが開けるといいですなぁ。
e-corというのは造語で、その意味はウンウンチクチクこちら→(Click!)に説明しているのですが、ロゴの紋(このBLOGの一番下にあります)についても、よく聞かれますので、ちらりと書きますと・・・
これは「持ち合い麻の葉」という紋なのですが、教室の目指すところを表しています。
それぞれの葉が隣りの紋にとってかけがえのないもの。
一つ一つが主役であり脇役であり、共に繋がり拡がって行くところが美しいバランスで描かれ、ちょっと感動モノなのです。
(紋を前にうるうるしている人もあまり見かけませんが。)
麻というのは伸びるのが早いことから、昔は新生児が生まれると、お祝いに寝巻きの柄に使ったりしたそうです。
e-corは生徒さんのフランス語の上達を願うと共に、生徒さん自身がそれぞれの生活を通じて様々な人と繋がり拡がって行けますように
そんな祈りが込められているのですよ、実は!
(あと、私の名前に掛けてあったりもします。)
それはさておき。
本日2008年初めての教室は、定冠詞について。
名詞の性(genre)というのは、日本人のフランス語学習者にとって「なんてめんどくさいんだ!」と思える特色なのですが、その歴史をたどると遥かサンスクリット語まで遡ることになる、年季の入ったものなのです。もう、しゃーない、とあきらめて単語とセットで覚えるしかありません。
でも、今日の授業のような楽しみ方で覚えると、あまり苦痛なく記憶できるのではないかなと思います。
こつは、まず自分なりの感覚で、「これは女子?」「それとも男子?」(Yさんの表現を借りました。笑。)
と、予測を立ててみます。皆さんは大人ですから、すでに日本語ではその言葉の概念を知っているはずです。その言葉に対して持つイメージが果たして「男」っぽいのか、「女」っぽいのか?をインスピレーションだけで考えてみるのです。
「lettre(手紙)」は、男っぽい?それとも女っぽい?
手紙で想いを伝えるのは、やっぱり女々しい感じがする?
でも音の響きはわりとカクカクしていて、案外男かも?
そして、実際辞書で調べた時、自分の感覚がフランス語とマッチしていればそのままスムーズに覚えられるし、もし違っていたら、「えー!これ男だと思ったけど、女なの?」という衝撃で、記憶に残りやすいのです。
言葉も人間が創ったものですから、人間の持つ感覚が組み込まれています。
機械的に覚えるより、たとえ遠回りなように思えても、自分の感覚と向き合わせてみることでインプットができるような気がします。
本日のカーラさんの歌はこちら(コピペしてください↓)
http://platea.pntic.mec.es/~cvera/hotpot/bruni5c.htm
ただし、サイト上では今日皆さんに渡した問題とは別の穴埋めになっています。あしからず。
歌を聞いてもわかるように、実際の会話では、le la les はほとんど聞こえるか聞こえないかぐらいで発音されますので、口語ではあまり神経質になることもありません。ただ、書くときにはかなり気を使います。テストなんかではかなり痛いミスにもなるのです。
フランス人は、たかだか冠詞を間違えたくらいでなんだってあんなに大騒ぎするのだろう、と思っていましたが、フランス語を長年やるようになってくると、名詞の性に一致しない冠詞をつけていたり、主語の代名詞に合わない動詞の活用を見聞きしたりすると、かなり衝撃的です。取り乱してしまいます。自分でもなんなんだかわからないまま、すごく消耗してしまいます。
たまに、自分自身でやってしまって、自らダメージを受けるという馬鹿らしいこともあります。
そんなわけで、一通り楽しみましたら、どうか正しい冠詞を覚えて下さいますよう。
いたずらにヒットポイントを減らさないよう、わたしも気をつけよう。
e-cor フランス語コミュニケーション教室 第4回
Un flanbeau...心に灯してますか?
今年最後の授業です。 今日は最後ですが、いよいよフランス語の入り口を通過して、本格的に「学習」に入っていく最初の日とも言えます。 フランス語には欠かせない、代名詞と、記念すべき第1個目の動詞の活用を覚えました。 来年までに、おまじないのように唱えて覚えてしまうのがいいかもしれません。
いつか授業中にお話しましたが、単語を覚えるというのは難しいことではなくて、イメージと抱き合わせになっている音(その言語の持つ音)を別の音の組み合わせに交換してあげるという非常に単純な作業です。 「犬」というイメージについている「いぬ」という音の組み合わせを、「シィャン(chien)」という音に変えてしまうだけ。 さらに、「シィャン」という音に「chien」というアルファベットのグループを抱き合わせなければなりません。これは、日本人が言葉を話すときに無意識に漢字を頭の中で思い浮かべるのと同じ作業です。目で見ながら、音と文字を一致させてしまうのです。
単語が覚えられないのは、カタカナで覚えようとするから。 「シィャン」と発音したときに、頭の中にカタカナで「シィャン」が出るのではなく、「CHIEN」が浮かばないとだめなのです。 音と綴りを一致させるには、目で単語を見ながら繰り返し発音をすることです。 自分の発音を耳で聞くことによって、音を記憶し、口を動かすことで口の筋肉が記憶をします。
そして、目にはすばらしいカメラ機能が備わっていますから、きちんと文字の順番を記憶してくれます。身体の機能全体が一致協力してひとつの言葉が、文字通り「刻まれる」のです。 単語を身体で覚えるということは、こういうことだと、わたしは思っています。 この身体に記憶させる方法は、フラ語に限らずどんな言語にでも使えるのではないかしら?
今日の代名詞も、ただ暗誦するだけでなくて、脳に「わたし→Je(ジュ)」という変換作業をさせるのがコツです。頭の中で「Je」と言いながら自分を想像。「Nous」と言いながら、自分とその周りにいる人・・・といった感じでイメージをしていきます。繰り返すうちに、日本語「わたし」からフランス語「Je」への翻訳作業を通過せずに、いきなり「Je」が自動的に出てくるようになったらOK。
今日覚えたsouhaiter(スゥエテ) Je souhaite...(ジュ スウェット・・・を願っています、・・・であるといいなと思っております) は、誰かの幸せや成功を祈るすてきな表現ですし、 手紙では本当によく使いますので、早めに使えるようになっておくといいと思います。 特に、年賀状のシーズンですから、今日の表現集を活用してみてくださいね。 Je vous souhaite une bonne continuation pour 2008 !!
第3回 e-cor フランス語コミュニケーション教室
シネマ・フランセ、第1回はエリック・ロメール監督
Pauline à la plage
(海辺のポーリーヌ)
フランス人って・・・。
Cours No.3と4はシネマを使った授業。本日は生徒さん3人とこじんまりしつつ、フランス映画を見ながら「フランス人気質」というものに触れてみる授業です。
§ 15歳のポーリーヌと年上の従姉マリオンはモン・サンミッシェルに程近い海辺の小さな町、ジュールヴィルにヴァカンスの最後を過ごしにやってきます。離婚して間もないマリオン、海辺でたまたま昔のボーイフレンドだったピエールと再会。そこに、ピエールと「知り合い」と言うアンリが現れ、マリオンは自らが宣言していた通り、「一瞬で燃え上がる熱い恋」に落ちてしまいます。ピエールはマリオンが忘れられず、アンリのプレイボーイっぷりを指摘しマリオンに忠告するものの、言えば言うほど墓穴を掘るばかり。一方、ポーリーヌは浜辺でシルヴァンと出会い、ちょっといい雰囲気。ところが、アンリの浮気が引き金となり、登場人物全員を巻き込む大嵐に。マリオン、ピエール、シルヴァン、そしてポーリーヌ、それぞれの思惑がぶつかり合い、糸はどんどん縺れてしまい・・・一体、「真実」を語っているのは、誰?
「海辺のポーリーヌ」はロメール監督の2つ目のシリーズ「Comédies et proverbes(人間劇と格言)」の3番目にあたる作品で、1983年にベルリン国際映画祭で監督部門銀熊賞を受賞しています。シリーズ中の6つの作品はそれぞれにひとつの格言(proverbe,un)をテーマに取り上げて、それに沿った人間模様が繰り広げられます。
この「ポーリーヌ」には、
"Qui trop paroles, il se mesfait."
というのが掲げられているのですが、これはかの有名な荷馬車騎士〔このバカバカしい話の概要をお知りになりたい方はこちら→(Click!)〕を書いたクレティエン・ド・トロワという12世紀の作家からの引用。この古フランス語、現代フランス語に訳すと
Qui parle trop se fourvoie. となり、
「べらべらと喋るやつは道を誤る」という意味になります。
(DVDの付属解説には「言葉多きものは災いの元」となっていますが、原語では「喋りすぎて自ら墓穴を掘る」というニュアンスがあるため、厳密な意味では誤訳のような気がしますが・・・)
こちらは生徒の皆さん。「べらべらと喋る」とは程遠く、集中して話の筋を追っています。
自由奔放、つっこみどころ満載なフランス人の恋愛模様、やっぱり目が離せませんでしょうか。
前半は「喋りすぎた男」として道を誤りまくる役を押し付けられた哀れなピエールくん。果たして彼の運命は?!
・・・といったところで、お時間でした。
「続きが気になるー」
この作品に限らず、エリック・ロメールという監督はとにかく登場人物に「語らせる」ことでストーリーを紡いで行く手法を使います。そういう意味では、この「Qui trop paroles...」の引用はちょっと皮肉。
しかし、15歳とは思えないポーリーヌ。心も身体も発育順調で、よく観察をし、曇りのない直感で登場人物の中では一番大人なのでは。
今日は最後まで行きませんでしたが、アンリが別れ際にポーリーヌに与える「男と女」な助言、ううん・・・とうなってしまいます。そういうもんですかねぇ・・・
これについてはぜひ、皆さんの意見を聞きたい!
そしてラストシーンのポーリーヌの笑顔がさわやか。なんとも言えない味があって、わたしはとっても好きです。
(--JOUP* :ちょっとパロンテーズ--)
今回使ったDVDは今一般に出回っているものなのですが、一部の訳が単純なヒアリングミスから来る誤訳だったりしてちょっと驚きました。誰もチェックいれなかったんだろか・・・。
(--JFLP** : パロンテーズおわり--)
それにしても、今日は3人でちょっと寂しかったです。
e-cor フランス語コミュニケーション教室 初心者クラス(土曜朝10時~11時30分)では、生徒さんまだまだ募集中です。教室の詳細→(Click !)
途中から入るのはチョット・・・と思っていらっしゃる方、ご心配御無用です。
その理由は・・・また明日。(今日は引っ張りっぱなし)
Bonne nuit !(おやすみなさい)
_________________________
*J'ouvre une parenthèse : ジューヴる ユヌ パろンテーズ 「かっこ開きます」という意味。話がちょっとそれるけど、という余談開始時に使います。
**Je ferme la parenthèse : ジュ フェるム ラ パろンテーズ 「かっこ閉じます」。このセット表現、大学の先生からコメンテーターまでさまざまなシーンで耳にします。
e-cor フランス語コミュニケーション教室 第2回
ちょっと渋めのArbre de Noël... サンゴ水木のツリー。
§ クラス・デビュッタント(初心者クラス)第2回目。
・・・また、写真を撮り忘れました。鳥アタマと呼んでください。
昨日は内容が盛り沢山だったので、そんな時間もなく!
と、言いたい所ですが、白状するとカメラを持参するのさえ忘れておりました。
さて。
第2回目は新しい生徒さんも参加して、和やかに始まりました。
第1回目はとにかくフランス語を喋る、書く、という体験をしていただいたので、今回は文字通りアー・ベー・セーからのスタートです。
単語の洪水・・・男性・女性、さらに両性(?!)、そして発音の基礎と、情報の嵐でちょっと圧倒されぎみでしたでしょうか?
名詞の性については一定の法則もありますが、覚えるためにはイメージを使うのがコツです。詳しくは名詞の回で一緒にやっていきますのでお楽しみに。
e-corの教室は、今後こんな→(Click!) 感じで、様々なジャンルを通して進んで行きます。
語学学習でぶつかりやすい苦痛な作業をできるだけ楽しいものに変えていく、そんな発想の転換も長く続けるためのテクニックだったりします。楽して覚えることはできませんが、むやみに苦労することはない!ですし。
§ 先週から話題になっている仏和辞書ですが、みんながこれは!と言っていたミニ辞書「ジェム仏和・和仏」は¥4,000程度でした・・・「2000円位で安いです」などとうそついてごめんなさい。
情報量や引き易さから言ったら、私はやはり三省堂のクラウンをお勧めします。
中古でしたらアマゾンJPで破格の値段で購入可能です。辞書は最新版にこだわることはありません。私が昔使っていたものは古本屋さんで500円で買ったものでした。笑。
これから海外旅行するぞー!という場合でしたらカシオの電子辞書がお得です。仏和(クラウン)・和仏(コンサイス)はもちろんですが、英和・和英、英英、広辞苑、漢和、Wiki、その他が入って4万円弱。辞書を引く手間が億劫になってしまうこともないので、気軽に「えっと、これって何だったっけ・・・?」と調べられます。発音もネイティブ音声がついていますから確認するのに便利です。
辞書の引き方。これって普通は教えてもらえないことが多いのですが、みんなが辞書を手に入れたら(笑)、一度取り上げてみようかなと思っています。目から鱗モノですよ!
§ 第2回目の授業では、様々な発音について触れてきましたが、生徒の皆さんが発音をしてみたい!と、自発的に口にしていく姿にちょっとじ~んとしてしまいました。
これはどうなんですか?
こういう場合は?
と、疑問がわくことはとてもいいことだと思います。
こうかな?ああかな?と試行錯誤していく過程でフランス語の持つ法則に気づいて、自分でルールを探りながら作って行くことが上達につながります。
この作業ができるようになると、ほかの分野でも分析→予測→組み立てという思考回路が使えるようになってきます。
それにしても、フランス人はこれだけ理路整然と考えられる仕組みを与えられているのに、一般的に不器用な人種。(これは多くの日本人に共通する感想だと思う。)
フランス人銀行員の恐るべきブッキーなお金の数え方なんかも教室でネタになりました。
それなのにアートや料理、音楽など芸術に突出した人物を多く輩出しているというのはなんだか不思議な話です。
e-cor フランス語コミュニケーション教室からのお知らせです。
明日12月1日(土)スタートのe-corフランス語コミュニケーション教室 クラス・デビュッタント(初心者)へご参加の皆様へのおしらせです。
授業は午前10時からです。
用意するものは、筆記用具。
※もしお持ちでしたら日⇔仏辞書。または、仏仏辞書。
教室の場所は こちら ←を参照してください。
車でお越しの方は、NIC駅南の駐車スペースが少ないため、申し訳ありませんが近所の100円パーキングをご利用ください。
皆様にお会いできるのを楽しみにしています!