FIP@iPod touch
ipod touch 4th が届きました。 音楽にも、もちろん使いますが、主な使用はやっぱり職業柄、辞書機能になりそう。
早速、プチロワイヤル(和仏・仏和)、Larousse(仏仏辞典)、Collins(仏英・英仏)を入れました。 仏和仏と英和英・英英の入った電子辞書は5万弱で買ってここ7,8年大活躍してきたのですが、仏仏・英仏英がないのが唯一の弱点。Le petit Robertの入った電子辞書を新たに買うかどうか3年程悩んでいました。 プチロワは6,000円と少々値が張りますが、Larousseなんて600円です。気が抜ける値段。
もうひとつうれしかったのは、無料でRadio Franceのチャンネルが全部聞けてしまうアプリがあったこと。 世界のインターネットラジオを聴けるものもダウンロードしました。 もともと付いている機能に、googleマップがあってこれも便利至極です。バルト三国の順番がわからなくなったりした時などに。そういえば、生徒さんがパリのメトロマップのアプリを使っていましたっけ。そういうのもどんどん入れられる。
あー、授業用にやっぱりiPad欲しい・・・。 語学にも便利な世の中になりましたなぁ。
と、IT革命万歳ではあるのですが、紙の辞書は必要だと思っています。特に初心者~中級までは。
あれって、ページをめくって単語を調べているというその行為が記憶につながっているそうなんです。だから、単語のストックがあまりない状態で電子辞書系を使ってしまうと、記憶に残らないから簡単に忘れてしまう。
初心者に辞書を引いてもらうと、ものすごく時間がかかります。 まだ頭の中にアルファベットの羅列パターンが殆どないので、辞書に当たりをつけて引くことができません。だから、進んだり戻ったりしてやっと目的のところにたどり着きます。
けれど、ページを繰る手の筋肉の動きや、単語を追う目の動きなど全てが記憶されて、それが回数を追う毎に整理されて短い時間で到達できるようになるのだと思います。身体で覚える、ってこと。実際にその時の手の動きなんかは意識として覚えてはいないけれど、脳の記憶媒体にはそういうことも含めてトータルで記憶されるんじゃないかと思います。
その辺を一切省いていきなり電子辞書を使ってしまうと、辞書が親切に当たりをつけてくれたリストから選ぶだけでいいので、身体は殆ど動かさずに済みます。「当たりをつける」ということも、回数こなしてだんだん先が読めるようになるわけだから、語学的勘のようなものも培うことができなくなってしまいます。
自主的に作り出した記憶する手がかりのようなものが少ないから、思い出す時のとっかかりも少なく定着しにくくなるのじゃないでしょうか。
・・・とはいえ、クリックするだけで活用や発音までスイスイ出てくる辞書アプリは機能としてはすごいです。
すごいと言えば、このプチロワアプリをものめずらしそうにいじくっていたナビ君が、活用の発音を一回聞いただけで完璧にコピーして口に出したのには驚きました。 しかも、r の発音だらけで日本人を悩ませる「rire(笑う)」の未来形・・・うぬぬ。普段から耳を鍛えているだけあるな・・・
ところで、絶対音感があるからといって発音も上手にできるとは限りません。 例えば、フランス語を話すフランス語ネイティブでない音楽家が、全員美しい発音で話すかというと、そうではないです。正確に聞き取る能力と、それを正確に発音する能力はまた別物なんだよなぁ。 ちょっとフランス語やってみたら?と言うと、ナビ君は
「習うのは恥ずかしいから、やるとしたらこのアプリでムッツリ学習※する」と言っていました。
『タッチでムッツリ学習』・・・
※ムッツリ学習:ひっそり篭り、CDやビデオなどでこっそり独学すること。だと思う。