謎夢は続くよどこまでも。おとといは欽ちゃんに振られる夢を見た。なんでそーなるの!?(ちなみに小さいとき、私は次郎さんの方が好きでした)
今学期は比較文学で「ペローのContesとインドのお話パンチャカントラ」を取った。 いきなり最初の課題でCendrillonのオリジナル版とヴァージョン・ポワティヴィンヌ(ポワティエでポピュラーだったヴァージョン)の比較について一枚。 いわずと知れた「灰かぶり姫」のお話です。フラ語では「サンドリヨン」と発音します。 しかし、同じシンデレラでもこんなに違う話にしていいのか?と言う位違う。 ポワティエ版では「サンドロゥーズ」と名前まで変わっている。継母は出てこない。灰かぶりちゃんは、3人姉妹の3女で、あんまり外に出歩きたがらない。 魔法使いのおばあさんはカットされているので、かぼちゃの馬車やら12時の約束やらは一切出てこない。
では、サンドロゥーズはどうするのかというと、パパが市に行くときに「胡桃を買ってきて」と言う。そんで、その胡桃を開けると「シンデレラグッズ」がじゃじゃーんと出てくるのです。 で、準備万端、王子様の待つ舞踏会へ・・・いやいや、サンドロゥーズちゃんが行くのは教会のミサずら。
そんでもっでは、サンドロゥーズつぅ娘っこは教会さ行っで、靴ばかだっぼおどしでくるでさ、たまたま寄った王子さんがよ、靴の持ち主さ探すべよ、ではぁ、さんどろぅずは「そっだ靴はおらのだべ」つぅて、ほんでよ、王子さんと結婚すんべ、結婚すんべつぅんで、二人っしていっちまうべさ。めでだしめでだし。
そんなわけで、ポワティエ版を読んでいるとどうも話が田舎くさくなってきて、なまらずにはいられなくなってくるのです・・・。主人公の名前も十分田舎くさい。
結局、当時の女の子たちの「いつか王子様と」という願望を「ありそうな話」に書き換えたら、魔法カットのリアリストにならざるを得なくなり、しかもそれでは話の辻褄も合わず、中途半端に胡桃登場・・・当時の女の子たちの中で胡桃がブームになったりはしなかったのだろうか。
ペローは「長靴をはいた猫」や「赤頭巾」「青ひげ」などの童話で有名ですが、 実際は、結構血みどろな話が多い・・・「青ひげ」なんてホラーです。ブルブル。 赤頭巾ちゃんは食われっぱなしだし(オリジナルでは親切な狩人さんは出てこない)・・・そして、「ロバの皮」なんかを見ても、倒錯愛、偏愛、タブー・・・ ペローはマゾの気があったんじゃないか、というか、苦境にもだえる女が好きだったのでは、と思える。 やはりフランスは変態万歳の国だ。