J.S. バッハ 「フランス組曲」 Suite 5
こころも、スケジュールも、なんだかダイナミックに動き始める。
「むかしの役に立たなさそうな経験」のひとつを、またもやお蔵から引っ張り出してみない?という話を貰った。
そう言ってくれる友達は、宝物。
よく、「お金持ちになると、もうお金が欲しいと思わなくなる」という話を聞くけれど、それと同じで、「人前に出たい」「目立ちたい」という欲求がなくなったとたんに、逆に引っ張って行ってくれる人が現れる、アイロニー。
この間のセミナーで、「芯」や「信」を持てないとプライドが高くなるという話をしたけれど、
私は、私のアイデンティティが何なのかがわからなくて、常に「私はここにいるよ!」「私だよ!」と、声を嗄らして叫び続けなければ、この世から消えてしまうような気がして、こわくてこわくて、無意識に「芝居」を選んでいた。結局、そこに「わたし」が居るわけもなく、熾烈な争いの中で私の声はだんだんかき消されてしまうことになったのだけれど。
きっと、さびしかったんだ。
「古い」友達が、時々はがきを送ってくれる。
「見てるよ」と言ってくれる。
「いつか会いたいね」と言ってくれる。
これも、宝物。
元気ですか?
たくさん語ったあの頃が懐かしいね。
あの頃の私の一部には、きみも居て、だから、会ってなくても力強く「生きている証」を感じていた。遠くに居たきみだけが、近くにいるひとたちが知らない私を知っていたんだよ。
あの頃から、本当は、「もういいよ、大丈夫、ここにいるから」と言ってくれる人が欲しかった。
今は、「大丈夫、私がここにいるから」と言えるようになろう。