第18回 にいがた国際映画祭が2月16日から開催されますが、フランス映画のひとつがなんと!この間手に入れたばっかりのMercredi, folle journée... 邦題「水曜日は大忙し!」でした!上映が土曜日ということもあるので、教室のみんなで見に行けたらいいのでは?と思っています。ナントを網羅できる楽しい映画ですよ~
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ここまで、動詞の第1ベース、そして必要不可欠な4つを習って来ましたが、あと4つ、とてもよく使う動詞なのが
savoir pouvoir vouloir devoir
知る、~できる(可能だ)、~たい(希望する)、~なければならない(義務である)
これらは第3ベースに属する動詞になります。
(※e-corでは従来の第1グループ・第2グループ・第3グループという動詞の活用グループ分けをしません)
特徴ある活用をするので、これらは割りと覚えやすいものになっていますが、あれれ?どっちだったかな・・・と混乱することもしばし。
それは、単数の語幹と複数の語幹が違うからなのですが・・・例えば
je peux だけど nous pouvons
この変化は-ER動詞には見られないもの。
どっちだったっけ・・・となったら、思い出してほしいのが、原型=nous/vousの法則。
nous と vous は原型の語幹にいつでも忠実です。
例 :
pouvoir → nous pouvons
vous pouvez
devoir → vous devez
また、savoirも含めてこれら4つは3人称複数 ils の形が独特。
私はこの形を発音するのがなんだか好きです。
ils peuvent veulent doivent savent
(「プーヴ」「ヴール」「ドワーヴ」「サーヴ」)
この形をばらしてみると、単数の語幹+原型の2つ目のシラブルの子音+-entという形なのがわかります。doiventを例にとってみると、
単数形の語幹 doi
+
原型の2つ目のシラブルの子音 de voir
+
ent
= doivent
なのです。
それからもうひとつ、この日に覚えたのは否定文。
動詞をne pasで挟むのが基本の使い方です。
pasについて、「一歩」という意味の男性名詞として使われるのですが、もともと古フランス語では「一歩も進まない」という意味の否定でのみ ne marche pas という風に使われていて、否定する動詞の種類によってpasの代わりに色々なものが入るという話をしました。
例えば、「一口も食べない」 の場合は mie (ミ)を使って je ne mange mie
(このmieは「パン・ド・ミ」の「ミ」で、パンの身の柔らかい部分を指しますが、「パンくず」という意味もあります)
だったり、
「一言も答えない」なら je ne réponds mot ("mot"モ は「一言」とか「単語」という意味の男性名詞)になるし、
「ひとつも持っていない」になると je n'ai point ("point"ポワン は「点」のことで、ピリオドもpointと言います。ne pointの形は結構最近まで残っていました。アカデミック(というかもはやアルカイック)な雰囲気が漂います)
などなど。
このパターンの多さを考えると、学習者にとっては現在はne pasにほぼ統一されていて良かったなあーとしみじみ思います。
更に、口語では ne がほとんど消えかかっていて、
J'sais pas (= je ne sais pas 「知らない。」)
T'en as pas ? (Tu n'en as pas ? 「(それ、)持ってないの?」)
T'es pas là ? (Tu n'es pas là ? 「そこにいないの?」)
なんて言います。ちなみに、Tu も「T'」となることが多くて、
Tu es(トゥ エ)が T'es (テ) に
Tu as (トゥ ア)が T'as (タ)
となるのは有名。
J'sais pasは「シェパ」と発音されて、もはや原型は跡形もなしの状態ですが、「なんていうの」とか「よくわかんないけど」みたいな責任逃れの意味でよく文章中に挟まれたりします。
Comment je le trouve ? J'sais pas, moi... peut-être ça va aller ?
(どう思うかって?えー・・・まあなんとかなるんじゃないの?)
こういうニュアンスのある喋り方ができるようになると、学習者独特のカクカクした感じが薄れてこなれて聞こえてくるようになるのかもしれませんね。