4月から始まった「文法を初めからひとつひとつ/リスニングのための会話力」シリーズ、11月からは複合過去形と半過去形の違いをしっかり認識して、適切に使えるようになる練習をしていきます。
フランス語の過去形で悩ましいのが、複合過去形と半過去形のどちらをつかったらいいのか問題ですね。
「複合過去形は動き、半過去形は長い時間その状態の時」のようにとりあえず2つの形を習ったものの、実際のところどちらの形を使うのがいいのかよくわからなくて、結局どちらかばかりを使っている・・・という話をよく聞きます。
確かに、フランス語の過去の時制は独特なので、その視点や感覚を理解していないと、それぞれの形の使い所がとてもわかりにくいんですよね。
例えば、
「私は5歳から18歳までサッカーをやっていました。」
だと、13年間ずっと同じスポーツを続けているのだから、「長い時間」と捉えて半過去形でいいんじゃないの?
って思ってしまいがち。でもこの文脈は、半過去形を使ってはいけないものです。
半過去形は、はっきりといつからいつまでという時間がわからない、漠然とした過去を述べる時制です。なので、「5歳から18歳まで」と時間的くくりがしっかり提示されている文では複合過去形を使って経験として述べることになります。
その時その時の、話者の視点、話している内容によって、どちらの時制を使うのが適当かは決まってきます。
フランス語の過去形は、とても映像的です。特に、半過去形はいろいろな面を持っているおもしろい時制なので私は大好きなんですが、適切に2つの時制を使うと、まるでフィルムを見ているかのように、語られること、書かれていることが動き出すように見えてくるのです。
ゲームをやったことがある人ならFPS(First-person shooter )とTPS(Third-person shooter)というのを聞いたことがあると思いますが、複合過去形と半過去形は、ちょうどこの一人称・三人称視点の切り替えをすることもできてしまいます。
同じ文でも、はっきりと意識して考えていることと、ぼんやり心のなかで思っていることの違いを出すこともできます。
映画を見てきたという人との会話で、
A「面白かった?」
B「うん、よかったよ。」
これをフランス語にする時、一般的な解答としては
A : C’était bien ?
B : Oui, c’était bien.
と半過去形になるんですが、実際の会話では、
A : Ç’a été ?
B : Oui, c’était bien.
と、質問が複合過去形に !!! なのに、返答は Ç’a été bien. とはなりません。
(ただし、« Oui, j’ai bien aimé. » はよく使われます。)
なぜ…? となるんですが、ネイティブの感覚で、話している本人たちもなぜそこで複合過去形にならないのかはよくわからないらしい…
Ç’a été ? はカフェやレストランでサービスの人によく言われますよね。何を答えたらいいの ?! と軽くパニックになってしまいますが、「お食事はお済みですか?」「いかがでしたか?」のような意味で使われています。これに対してもやっぱり
Oui, c’était délicieux. 「はい、美味しくいただきました」
のように半過去形を使って答えます。
フランス語の感覚を理解するのは難しいけれど、わかるようになると、日本語にはない新しい視点を身につけることができるようになります。ちょっとずつ練習して、視野を拡張していきましょう!
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